白鳥事件

昭和27年01月29日 参議院  本会議
[023]
法務総裁 木村篤太郎
岩間君の要求によりまして札幌事件の取調べの経過を御報告いたします。

本年(「でたらめ言うな」と呼ぶ者あり)1月21日午後7時30分、札幌市警備課長の警部、白鳥一雄、満36年、この人が単身自転車で帰宅中に、同市内南六条西17丁目附近の路上を進行中に、背後から自転車で接近して来た犯人に拳銃で狙撃された。左肺上部を撃たれて即死したのであります。

この事件の発生直前の事情といたしまして、昨年12月27日、自由労働者多数が札幌市市役所に押寄せまして、高田市長に面会を求めて、市長室の前廊下に座り込んで喧騒を極めた。同日午後3時頃、同市長の退去要求に応じなかったために、うち10名が札幌市警の警察官に検挙された。それで札幌地検の取調べの結果、うち7名が建造物侵入罪によって起訴された事実があるのであります。

この事件後、白鳥警部等に対しまして、再三同警部の生命に危害を加えるような脅迫状が送付された事実があるのであります。

又事件発生後、本年1月23日、札幌市内におきまして、日本共産党札幌委員会名義の同月22日付のビラが撒布された事実があります。(「怪文書だ」「確認したか」と呼ぶ者あり)このビラに、

「見よ、天誅逐に下る、自由の凶敵白鳥警備課長の醜い末路こそ全ファッショ官吏の落ち行く運命だ、全官憲よ、第二の白鳥となるなかれ、他人事と思うな」

云々の記事が煽情的に書かれてあったのであります。(「それが確認されているか」と呼ぶ者あり)

この事件の内容といたしまして、(「証拠はあるのか」と呼ぶ者あり)只今申しましたような前後の状況によりまして、この事件は極めて悪質な重大事件と私は考えております。

只今関係当局を総動員いたしまして、何人がかような犯罪を犯したのか、背後関係はどうであるか、如何なる理由によってかような犯罪が行われたかということを目下調査中であります。只今のところ、この詳細はわかりませんが、(「三鷹事件はどうした」と呼ぶ者あり)恐らく近い将来においてこの事実の真相が判明するであろうことをここに申上げる次第であります。(「第二の下山事件」と呼ぶ者あり)





昭和27年02月06日 衆議院 予算委員会
[016]
自由党(自由民主党) 上林山榮吉
御承知のごとく、先には共産党員によるところの福島事件が起っておる。また極左分子によるところの三鷹事件の電車の転覆事件が起っておる。その他多数の事件が起ったが、最近はまた共産党のテロ化、あるいは組織化のはげしい北海道地区において、白鳥警部射殺事件のごとき重大な事件が起りまして、世間を非常に騒がせておるし、しかも間もなく長野に5警官に対して集団暴行を加えた事件が起って、重傷を負わせ、しかもピストルを強奪しておる。こういうような実に恐るべき状態を呈しておるのであります。

しかも白鳥事件の直後において、北海道共産党の地区委員会は、何と言っておるかといいますと、全国に燃え上りつつある抵抗運動の一つのこれが現われだといって、これを肯定し、はなはだしきは、この事件の殺人者を愛国者と呼んでほめそやしておる。こういうような状況であります。

また共産党の秘密指令書によりますと、白鳥事件に関する各地の反響並びにその後の宣伝工作に関する反響を詳細に集めて報告せよというような指令があったと言っておりますが、はたしてこれは事実であったかどうか。また日共党員のそれぞれの秘密指令がいろいろ当局の手に入っておるということが報ぜられておるが、はたしてこの点は事実であるか。私はまずその点を伺っておきたいのであります。

[017]
法務総裁・行政管理庁長官 木村篤太郎
お答えいたします。ただいま上林山君から、北海道の白鳥事件及び長野の事件、いずれも詳細な報告は参っておるのであります。但し、それがはたして共産党とつながりを持っておるかどうかということは、ただいま判明いたしておりません。これは共産党とつながりを持っておるというならば、事はなはだ重大であると考えておるのであります。その際における頒布書類、そういうものが手に入っておるかどうかというお尋ねでありまするが、それは当局の手に入っておるということを申し上げて、私の答弁といたしたいと思います。

[018]
自由党(自由民主党) 上林山榮吉
白鳥事件に対する内容を私はもう少し伺い、捜査中に属しておる事件でありますから、慎重を期さなければならぬという点についても論及したいのでありますが、これは一応さておいて、長野の5警官に対する集団暴行事件は、これも捜査中に属することであるから慎重を期さなければなりませんが、ただいままでの経過によると、共産党とは、あるいは極左分子とは何ら関係がないというような積極的な見通しか、あるいはこれに反して、共産党にやや、あるいは極左分子にやや近い方向に経過が向っておる、こういう状況であるか、捜査中の事件であるから、政府が答弁できなければ、それでよろしい。もし答弁できるとするならば、答弁を私は要求したいのであります。

[019]
法務総裁・行政管理庁長官 木村篤太郎
北海道の白鳥事件につきましてはまだ犯人があがっておりません。はたしていかなる背後関係があるかということも、今調査中であります。但し、その際に、共産党地区委員会の名をもちまして、はなはだしく破壊的な言動を記載された文書が頒布されておる、また一部においていろいろな記事を載せたものを貼付された事実は明瞭になっております。

長野の事件につきましては、ただいま犯人が一部逮捕されました。その者が共産党員であるかどうかということについては今言明はすることができませんが、おそらく共産党員ではなかろうかということだけは申し上げます。

[020]
自由党(自由民主党) 上林山榮吉
私はもう少しこの問題を追求して全貌を明らかにしたいという気持を持っておるのでありますが、それを差控えまして、ここに有力紙に書かれておる一つの意見がありまするが、私はこれを朗読いたしまして法務総裁の最後の意見を聞きたいと思うのであります。その文章というのは

「北海道における警部の射殺事件を、国会が取り上げたことにより、いまや地方的ではなく中央の問題として重大視されるようになった。前後の事情から、どうやら共産党のテロ行為らしいというのである。だが確たる証拠もなく、想像で殺人の罪を共産党になすりつけようとするのは、少くも民主的ではない。」

こう前提して、そして

「ところが今度北海道地区委員会の声明によると、彼等は党と事件との関係を否定しながら、関係のあるのを自ら白状しているようである。声明はこの事件を、全国に燃え上りつつある抵抗運動の一つの現われだと断言した。関係もなく証拠もないのに、どうして共産党は、この事件が抵抗運動であると知ることができたか。これ問うに落ちず、語るに落ちたものといわなければならない。」

こういうふうに続け、

「さらに聞き捨てならないのは、この事件の殺人者を「愛国者」として、称めそやしていることだ。およそヒュマニズムの行われる現代において、人殺しを愛国者とする国は、共産主義国家を除けば、世界のどこにもありはしないのだ。これは日本国を愛する者の行為ではない。多分お門違いのよそ国への忠誠なのであろう。よそ国への忠誠のために、日本人が日本人を殺すのを、日本人たる私たちが黙ってみていなければならないとは、私たちのそれこそ「愛国心」が許さないのである。共産党の声明は日本の国に宣戦し、私たちのヒュマニズムに挑戦したものだ。共産党が警部射殺に、関係あろうが、なかろうが、暴力によるテロ行為を是認しこれを以て愛国者なりと礼讃しているのだ。かような暴力政党を公党として認められるかを改めて考える必要のある時がきたようである。共産党の暴力化を外にして、いま国会で論議されている再軍備、自衛力の問題は考えられないことである」。

まことに適切な意見である、私はこう思うのでありまするが、事件に関係があったかなかったかということは、この次の段階で明瞭になることであります。これはその段階において明瞭になったときに、それ相当の処置をなし得るのでありますが、この暴力行為を肯定する声明を出すようなところの政党をはたして公党として認めておいてよいかどうか。

私は事件に直接間接関係あるなしにかかわらず、ただいま申し上げた通り、こういう暴力行為を礼讃し、愛国者であると言うがごとき政党を公党としておいてよいかどうか。法務総裁の所見を伺い、われわれは国民とともに慎重にこの問題を考えてみなければならない、こう思うのでありまするが、法務総裁の率直な、ひとつかけ引きでなく、お互いやおちょうでなく、真剣な御所見を伺っておきたいのであります。

[021]
法務総裁・行政管理庁長官 木村篤太郎
ただいまの御議論は私は大いに耳を傾けなければならぬと考えております。一体民主国家において最も慎むべきは暴力の行使であります。われわれは暴力を絶対に否定するのであります。暴力のあるところ国家の治安は乱れるのであります。そこで暴力行使をする者は、その思想の背景が右たると左たるとを問わず、われわれは断固としてこれに戦わなければならぬという確信を持っております。

もし共産党が治安を撹乱し、暴力的行為を表に掲げて、堂々とさようなことをやるということが明らかになれば、これは国民が承知しないであろうと考えます、おそらく国民から、これに対して相当の処置をとるべしという声は、おのずから上って来るだろうと思います。

現在共産党が暴力による革命を表に掲げ、実際的に行動に移すということになれば、これは当然非合法化という問題は明らかになると思うのでありますが、ただいまの段階においてはわれわれはまだじっとこれを見送るよりほかいたし方ないのでございまして、目下慎重に考慮中であるということを申し上げておきます。

[022]
自由党(自由民主党) 上林山榮吉
私がここで申し上げました北海道の地区委員会が出した声明の内容は、政府に入っておる資料も大体これに類似したものか、あるいはこれと同じものであるかどうか。この点を明瞭にせられたいのであります。

[023]
法務総裁・行政管理庁長官 木村篤太郎
お答えいたします。北海道札幌白鳥警部射殺事件につきまして、事件発生後の本年1月23日、札幌市内において、日本共産党札幌委員会名義の同月22日付のビラが散布された事実があります。その内容は相当広汎なものでありますが、一部にはかようなことが記載されております。

「見よ、天ちゅうついに下る!自由の凶敵!白鳥課長のみにくい末路こそ全ファシスト官憲の落ち行く運命である。全官憲よ第二の白鳥となるような行為をするなかれ。白鳥課長のむごい末路を夢にも他人事と思うなかれ」

というような煽情的な記載があるのであります。これ以外にも相当破壊的な記事が載っておることは事実であります。

[024]
自由党(自由民主党) 上林山榮吉
これでさらに明瞭になったわけでありますが、同時に白鳥事件の影響がどういうふうであったか、あるいは白鳥事件を利用して宣伝した効果がどういうふうであったかという秘密指令を日本共産党員が全国地区に要求しておると言われております。その資料もまた入っておると報ぜられておるのでありますが、白鳥事件の反響を調査した日共の秘密指令があったかどうか、この点をお尋ねしておきたいのであります。

[025]
法務総裁・行政管理庁長官 木村篤太郎
警察当局にはその情報は入っておるようであります。しかしそれがはたして何人の手から出ておるものであるか、それは明瞭になっておりません。





昭和27年02月15日 参議院 地方行政委員会
[011]
委員長(無所属) 西郷吉之助
それでは予定では次に木村、大橋両国務大臣から治安機構改革その他一般治安問題について説明を求める予定でございまするが、まだ見えませんので、それをあとに廻しまして、斎藤国警長官より、先般発生しました北海道並びに長野県に起きました問題を中心といたしまして、一般治安状況について説明を求めます。

[012]
政府委員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
いわゆる白鳥事件につきましては、只今鋭意捜査中でございまするが、この事件の発生は、今年の1月21日午後7時40分頃でありまして、その場所は札幌市の南六条西17丁目の道路上でございます。被害者は札幌市の中央警察署勤務の警備課長白鳥一雄であります。同人が自転車で帰宅の途中、只今申上げました場所に差しかかった際にあとから同じく自転車で追尾して来た何者かに突然拳銃で狙撃されまして、左胸部に盲貫銃創を負って現場で死亡をいたしたのでございます。

中央警察署におきましては、事件発生に際しまして直ちに署員の非常招集を行いますると共に、国家地方警察の札幌方面本部に対しまして援助要請をいたしましたので、国警、自警合同の捜査本部を設けまして、以後鋭意捜査を進めて現在に至っておるのであります。

その経過の詳細につきましては只今捜査の過程にありまするので、具体的に申上げますることは差し控えたいと存じまするが、そして又この事件が共産党関係者が敢行した犯罪であるかどうかという点につきましても、只今予断を以て臨むことができないと考えておるのであります。併しながらこの事件後日本共産党札幌委員会の署名入で、この種の暴力行為を是認するような宣伝活動が行われておることは事実なのであります。

その一例を挙げますと、御承知のように1月22日附に

「見よ天誅遂に下る、自由の凶敵、白鳥市警課長の醜い末路こそ全ファシスト官憲共の落ゆく運命である。」

云々というような表題の宣伝ビラを相当撒いたのでございます。その内容の一部を申上げますと

「全警察官及その上級者と高田市長よ、諸君の生命とその家族の幸福のために今後一切の民主運動に対する弾圧を即時中止せよ。そして占領軍と反動政府の命令を拒否し日本人のために、市民のために良心ある役人となられよ。決して第二の白鳥となるような行為をするなかれ、白鳥課長のむごい末路を夢にも他人事と思うなかれ。1952年1月22日 日本共産党札幌委員会」

というような署名入のビラを相当撒いたのであります。

又事件発生前に、特に昨年12月27日の自由労働者の検挙事件の発生以来、被害者の自宅宛に107通の脅迫状が送達をされております。又12月30日には白鳥課長自宅玄関口の障子に封印をするように「家族を皆殺しにする」という旨の脅迫状が貼られた。その他自宅周囲には多数の脅迫文書が貼られておるのであります。

この事前の脅迫状は被害者宛のもののほかに、高田札幌市長の自宅宛に60通、それから塩谷検事、これは札幌の地検の公安係の検事でありますが、自宅宛に90通出されておるのであります。

なお本件の捜査の過程におきまして、昨年12月19日発生の自由労働者の公務執行妨害並びに傷害事件の被疑者でありまする尾谷豊というのを2月4日札幌市におきまして又本事件発生後の先ほど申しましたアジ・ビラの配布者でありまする吉田哲、これも自由労働者でありますが、これも同じく札幌において暴力行為等処罰に関する法律並びに団体等規正令違反として2月8日検挙せられ取調中であるのであります。

このほかに事件発生後、北海道の検察官憲その他に対しまして相当数の脅迫状めいたものを発送をせられておるのであります。警察官17人、検事4人、その他の者7人に対して脅迫文書或いはビラというようなものが配布せられておるような状況であります。併しながらこういう脅迫状を受けた関係者は何ら意気沮喪することなく、極めて士気旺盛でありまする状況を、私が実際に出張して見て参って心強く思っているのであります。

(略)



[046]
政府委員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
私が先ほどから申述べておりますように、白鳥事件は共産党がやったというような印象を与えるような事柄は極力避けておるのであります。従いまして先ほどの御説明におきましても、白鳥事件については真相調査中であり、これは共産党というような予断を持って臨んでおるものではない。

そこで区切りまして、それから北海道の治安といたしましては、こういうようなビラ、或いは脅迫状が相当出ておる。併しこれについてもそのために士気は沮喪もされていないという事実だけを申上げたのであります。先ほど申上げましたビラを撒いた吉田哲というのを逮捕いしておるのでありまするが、これは自由労務者でありまして、民主青年団体の関係者と認められるのでありますが、このビラは誰が起草しどこで印刷をしたとか、そこまでの調べはまだできておりません。

ただ先ほど申上げませんでしたが、これは私は事件と関係があるという意味で申しておるのではありませんが、翌24日に共産党の札幌地方委員である村上氏が新聞記者団と会見をいたしまして、

この事件は共産党がやったのではない。ないけれども白鳥のような人間は、これは民主自由を抑圧するものであり、こういう人間は国民からこういう制裁を受けるということは当然である。こういうようなことはまだ今後も起り得るであろう

ということを村上地方委員がはっきりと申しているのであります。

ただそれだからそれと事件に関係があるというわけではありませんが、そういう事実がある。そういう事柄はこれもやはり一つの治安の問題であります。暴力を場合によっては肯定をするんだ、我々を抑圧するような者は、我々はやらないか知らんが、民主自由の陣営の者がこういう者をやっつけるのは当然のことであるということをはっきり言っておるということを申上げて置きたいと思うのであります。

ただ先ほどお答えいたしましたように、無用に共産党の脅威を宣伝をするということは今申上げましたように、却って宣伝の手に乗ることである。我々といたしましては今御心配になると同じ理由によりまして十分その点は心得えておる次第でございます。



[049]
日本社会党(社会民主党) 原虎一
斎藤国警長官の御答弁は、御本人はそういうお気持で最初の報告をされたかは知りませんけれども、私は、速記を御覧になればわかると思います。誰が聞いてもこれは共産党がやったと判断せざるを得ないような報告をなさっておったと思います。

もう一つは、この事件で共産党の村上君が白鳥警部のごときは非民主主義者だからやっつけるべきだと言ったというその言葉は、それは嘘じゃないと私は判断しますが、それは共産党という本質を御存じですから、いわゆる目的のためには手段を選ばんのでありまして、ギャングでも人殺しでも目的のためにはやるのであります。そういうことはわかり切っておるのであります。

併しながら私はそうであるからと言って白鳥事件が如何にも共産党がやったごとく、確たる証拠なくしてそういうふうに国民に意識付けるごとき報告をされるということは、あなたの最初に答弁された公平無私にやるという、中正を誓ってやるというお言葉とはどうもぴったり来ない。

だから共産党が、暴力を否定するような共産党は本物ではない、そのことはもうわかり切っているのであります。

併し白鳥事件と共産党との関係が明確にならないのに、共産党のやったかのごとき印象を与えるような報告をされることは策を得たものではないと思うことを申上げておるわけです。この点だけは考え違いのないように……。あとはあなたの答弁が正しかったかどうかということは、これは速記を見られればよくわかると思います。





昭和27年02月23日 衆議院 法務委員会

(略)





昭和27年02月25日 衆議院 行政監察特別委員会
[005]
委員長(自由党) 内藤隆
次に札幌市警警備課長射殺事件について、派遣委員の報告を聴取することにいたします。篠田弘作君。

[006]
自由党(自由民主党) 篠田弘作
札幌市に起りました白鳥警部殺害事件につきまして、われわれ4名の委員は林衆議院議長の命を受けまして3日間にわたって札幌において調査いたしました。その結果調査報告書ができ上りましたので、大体5つの項目にわけて御報告いたしたいと思います。

第1は、白鳥警部暗殺事件の概要であります。その第2は、事件発生前の札幌市における警備関係あるいはまたこれに対する日共の活躍の状況、第3は、事件発生後における札幌市の警備関係並びにこれに関連するいろいろな騒擾の状態、第4は、道内他地方の事件発生後の状態、第5は、総括的に日共とこの事件との関連性に対するわれわれ調査委員のいわゆる考察であります。この5つの問題にわけて御報告いたしたいと思います。

第1、白鳥警部暗殺事件の概要を申し上げますと、札幌市中央警察署警備課長、警部白鳥一雄君当年37歳は、本年1月21日午後7時40分ごろ、単身私服、自転車で帰宅の途中、札幌市南六条西17丁目路上で、自転車で追いついた氏名年齢不詳の男に突然背後から、約1メートルぐらいの距離と説明されておりますが、拳銃で狙撃され、左肺上部を貫通して即死しました。現場はバス路線、人家稠密、中央警察署から人家続きで約20丁、犯行の現場付近には2、3名の通行人がありましたが、暗夜のため犯人の人相、着衣等を確認した者はありませんでした。

同警部は昭和10年北海道巡査を拝命し、終戦前は外事係員、終戦後は警備係員として勤務し、昭和23年3月札幌市警の警備課長に就任、今日に至った人であります。最近まで営業許可事項も担当しておりましたので、この方面の業者とも関係があり、また渉外事項の担当で第三国人との交渉もあったが、何といっても昨秋来の日共系自由労組員検挙に関し、しばしば過激な脅迫を受けておりました。暗殺の予告も数10通の投書によって受けておったのでありまして、思想的背景を持つ計画的犯行と疑うに足る理由が相当濃厚であります。

事件が発生いたしますやただちに市警本部長を中心といたしまして、国警の援助を要請し、市警、国警、検察庁が合体となりまして捜査本部を設置、なお小樽、函館、旭川、帯広その他自警の応援も受けまして、約600名を動員し、あらゆる面から刑事、警備、そういう面からもこの捜査を開始したのでありまして、私たちが参りましたときはまだ捜査を続行しておったのであります。

第2、事件発生前の札幌における警備関係事案の状況につきまして申し上げますと、第1、昭和26年10月17日、札幌市内におきまして「石炭不足は朝鮮戦線に使われる兵器の生産に使用されるからだ。日本人の血と汗の石炭を泥棒する帝国主義者を叩き出せ」というビラを散布した日共党員と思われる氏名不詳の男を逮捕したのであります。

同月31日にこれを起訴し、11月28日より大通拘置支所に収容中、この男がハンストを始めました。これと呼応するように日共党員は12月7日まで前後4回にわたって数名ないし20名ぐらいずつ札幌地方検察庁公安部長塩谷検事を同庁に訪れまして抗議し、執拗に即時釈放を要求しました。

この間12月6日午後6時過ぎ塩谷検事の官舎に対しまして、官舎の前の塀、門柱、電柱等に「石炭下さいの弾圧やめろ」あるいは「獄中ハンストを救え日本共産党札電細胞」あるいは「市民を凍死さす殺人検事塩谷を葬れ」等のビラを多数貼付しました。

さらに12月7日婦人党員と思われる者3名が塩谷検事の留守中官舎を訪れ、同検事の夫人にハンスト被告人の即時釈放伝達方を要求いたしまして、居すわる気勢を示し、さらに登庁中の塩谷検事を北大細胞党員青木武雄等約20名の男女が訪れまして、釈放を要求し、拒絶せらるるや大挙して再び同検事宅前に集まり、扉を閉じている同家の門前に居すわり、塩谷検事の帰途を待ち伏せて要求を続け、警察官26名の出動を得て午後8時半ようやく退去いたしました。その当時の写真はこれであります。あとでごらん願います。

次に男は12月8日刑務所における栄養剤不足のため拘留を解除されましたが、8日以来同月15日まで同検事官舎に抗議を提出、また脅迫文言を書いたはがき20数枚が郵送されて来たのであります。そのはがきの写しはこの写真であります。

次に尾谷豊の公訴取消要求示威運動、札幌市居住の元憲兵伍長で昭和25年2月シベリア引揚げ後札幌市内三田銃砲火薬店倉庫係を勤めた経歴を持つ自由労務者尾谷豊、大正8年12月3日生れは、昭和26年7月30日渡辺ハルと共謀「米兵を叩き出せ」その他のビラ32枚を張ったため、政令325号違反で8月31日起訴され、当時保釈中でありましたが、11月14日第1回公判が札幌地裁で開廷されることになりました。同日午前9時半ごろ自由労務者15~16名が尾谷を先頭に「俺達の団結で売国奴塩谷の陰謀を叩きつぶせ」等のビラを添付した造花、花輪3個を押し立てて、塩谷検事自宅前を示威行進した後、裁判所玄関前に並べて労働歌を歌い始めましたが、裁判所所員の制止によりまして解散、公判終了後これを持って市庁におもむき、市長に面会を要求いたしました。これが裁判所前で示威運動をしている写真であります。

その次は札幌職業安定所分室における暴行傷害及び公務執行妨害事件であります。12月19日午前7時過ぎごろ札幌市内札幌職業安定所大通分室前におきまして道庁労働部職業安定課員佐々木一男外2名が労働部の弘報紙「職業安定」に登載するため、自由労務者の就労配置状況の写真を撮影いたしましたところ、警察に通報するものだと言いがかりをつけまして、尾谷豊及び山本武こと澁谷勇、党員中川二三夫の3名が右3名の職員を袋叩きにし、さらに通報を受けまして現場に急行した北一条東派出所菊地努巡査に対し尾谷豊は「お前らの来るところではない」と言って集合所の表に出して殴打いたしました。菊地巡査は警邏隊本部に報告し、制服員10名出動したところ被疑者3名は逃走、所在不明となったため公務執行妨害として捜査しておりましたが、尾谷豊を2月3日逮捕いたしまして目下取調中であります。

次に巡査に対する公務執行妨害事件、12月24日午後6時半ごろ、市内豊平三条4丁目付近の電柱に「日本の花嫁をパンパンにするアメ公を叩き出せ」等の反占領軍ビラを貼付中の数名の男を豊平町派出所伊藤文憲巡査以下3名が職務質問を行ったところ、関正夫外2名が同巡査に対して暴行を加え逃走しようといたしましたが、関正夫を逮捕し、さらに同人の取調べによって共犯者3名も12月27日及び28日逮捕いたしました。

その次は市庁における不退去事件並びにその検挙に対する示威運動、12月27日午後1時ごろ自由労務者栗原義光、北大細胞党員小島正治、札幌診療所細胞党員小林英一等20数名が市庁におもむき市長に面会を求め、代表2名が市長に対し、
1、石炭2トンをよこせ、
2、労賃を300円にせよ、
3、越冬資金5000円を支給せよ、
4、年末年始有給休暇とせよ、
5、アブレを出すな、
の5項目につき要求いたしましたが、約40分面会の後拒否せられましたので、要求が通るまで帰らぬと市長室前の廊下にすわり込み、放歌喧騒をきわめておりました。かつ用意して来たプラカード「恐餓新年」「石炭よこせ」「馬鹿野郎、之で石炭が買えるか」等記したもの3本を持込んで気勢を上げたので、市長より口頭及び文書をもって庁外への退去を要求いたしましたが、退去いたしません。

そこで中央署に通報いたしまして白鳥警部が乗り込み、30分の余裕をもって退去を命じたのでありますが、それでも退去しなかったのであります。そこで最後まで居残った栗原等10名が検挙されたものであります。うち3名は12月31日釈放され、うち7名は1月6名起訴となりました。

翌28日、北大講師北大細胞党員太田嘉四夫、生活協同組合理事菱信吉等約30名が中央署並びに検察庁に押しかけまして、10名の検挙を不当であったとして釈放を要求、引続き翌29日、30日も北大生数名を交えて抗議いたしました。

一方自由労務者党員吉田哲は、28日より10名の即時釈放を叫んで署名運動、資金カンパを行っておりましたが、さらに29日午後10時10分ごろ、塩谷検事官舎付近の板べいに

「拘留即時釈放せよ、しないなら命を覚悟せよ、細胞」

「国民を弾圧する警官一人一人を葬り去れ、細胞」

「モチ代下さいを弾圧した高田、塩谷、白鳥を葬り去れ、細胞」

等の墨で書きましたビラ約75枚を貼り、かつれんがの割れたもの5個を表玄関、ガラス戸より投げ込みまして、ガラスを5枚こわして逃走した事件が発生いたしました。その写真はこれであります。

さらに31日午後7時15分ごろ、高田札幌市長公舎に対しまして、中央細胞――この中央というのは札幌の中の中央というのでありますが――名のビラを7枚貼りまして、かつこぶし大の石2個を投げ込み、ガラス、障子等を破壊して逃走した事件が発生いたしました。12月30日、日共札幌委員会名にて

「ああ血も涙もない、人非人高田市長、白鳥警備課長、塩谷検事を札幌から葬り去れ」

と題する活版刷りビラが市内各所に配布され、この中には

「非国民、人非人の高田と白鳥、塩谷に抗議文を送らう」

「あなたの出す1枚の葉書は3人の鬼共をふるえ上らせ、悪魔の手から兄弟達をうばえかへします」

と記載し、高田市長、白鳥市警警備課長、塩谷検事の住所を列記しているのであります。それはこれであります。爾来27年1月18日ごろまでに引続き郵便による脅迫状が白鳥警部あて105通くらい、高田市長あて72通、塩谷検事あて61通送付されましたが、その内容は左記の通りで、生命に対するテロ行為を通告したものが多数含まれているのであります。

「祝、白鳥警備課長御家族一同の死、但しこの御通知は数日早くつくことになるかもしれません。」、

はがきは黒わくであります。

「売国奴、人非人、鬼、畜生!!どんな言葉を使ってもあきたらない程憎い白鳥、外人の殺人、放火、横暴にはヘラヘラして罪のない日本人を何百何千と牢屋にぶちこんだ貴様の罪状は決して私は忘れない。必らず復讐する。その時期はもう近いんだ。12月27日餅と石炭を要求した自由労働者を即時釈放せよ。」

また

「12月27日「モチ代を下さい」と市役所におしかけた俺達の兄弟をよくもつかまへたな。その御礼には今度は貴様の首をもらうから心得て置け。これは空言や「オドシ」ではないんだ。我々にはその用意は万端ととのっている。気の毒だが貴様の可感い可愛い、子供も殺してしまふからな、それがおそろしかったらただちに釈放せよ。貴様が味方と思ってゐるものも、我々の手が入ってゐることを注意しておく」。

その次は「禁賀新年」禁は禁ずるの禁であります。 (笑声) 

「早いとこおれたちの兄弟達を釈放しねえとどてっぱらに一発おみまいするぞ。まあ今年は十分気をつけたまえ、命をなくさぬやうに」。

塩谷検事あて、札幌首尾取三署名、この写真がこれであります。

1月4日午後8時ごろ、労働者風体の男4人、白鳥警備課長公舎を訪れ、ガリ版刷りビラを差出し逃走しました。このビラの内容には

「魂まで占領者に売り、日本人を弾圧する亡国高田市政を打倒しよう。売国奴、人殺し、鬼の高田、白鳥、塩谷を実力をもって葬らう!」

等の記載があります。

「新年に当り警察官諸官に宣言す」と題する文書の配布。27年1月4日、5日「新年に当り警察官諸君に宣言す」と題し、

「我々の行手を遮るものは何人といえども容赦はしない。準備はできた。売国奴国民の敵功罪表は整備された。高田、白鳥、堀内、塩谷、管井、和田、岩渕、その他弾圧を積極的にやった外勤の巡査、及び警備課の諸君……警察官諸君、我々はこれらの敵、新しい敵を国民の名において一人一人葬り去ることを宣言する」

等とテロ行為の実行を宣言した脅迫文書を「警官の友」(日共の対警工作用新聞型、宣伝紙)とともに白鳥警備課長、北田中央署長、市内各派出所等に郵送いたしました。これはその宣伝文の写しであります。

第3、事件発生後の札幌における警備関係であります。日共札幌委員会名義のアジビラが撒布せられました。1月23日早朝から27日までの間市内各所で1月22日付――これは白鳥事件が21日であります。日本共産党札幌委員会の名義で「見よ天誅訣遂に下る」と題した活版刷りのビラが多数配布されました。内容は白鳥警備課長の暗殺を是認し、

「白鳥打倒の勇敢な行動を孤立させることなく、労働者を先頭に全市民が結束し団結して不屈の組織をつくり自由と平和のために嵐のような闘いをまき起そう」、

こういう同種行為を助長するような記載があります。この印刷物は活版所で約1万枚刷られたと見られておりまして、市内各所に数1000枚撒布せられております。撒布者の中には北大生も参加しております。これが1万枚も刷られているということから、自由労働者の行為ではないというふうに判断されるのであります。

次に日共北海道地方委員会の声明発表並びに抗議。24日午後2時日共北海道地方委員会の実質的指導者党員村上由は道庁新聞記者クラブで記者団40名に対し、日本共産党北海道地方委員会の名で声明を行っております。それは口頭で発表いたしましたが、NHKの録音にとられておりますので、同君の発表は証拠が残っております。日共は個人テロは決して行わぬといいながら、

白鳥の今日までの行動はファッショ的弾圧に終始して、この野獣のごとき行動に対しては国民の自由と独立の立場から実力をもって闘うべきで、かく闘うことは愛国的行動というべきである

と暗殺テロ行為を賞揚し、しかも

ファッショ政策が強行される限り、国民のそれに対する抵抗運動は一層強まるであろう

と主張いたしております。

さらに日共札幌委員会は25日午前11時30分党員岡垣千一郎外1名を札幌市警に派遣し、白鳥事件の捜査に便乗した一切の民主団体の弾圧をやめよと抗議し、また市内各派出所警察官にも同様もより細胞員が押しかけ執拗に抗議が行われております。

この村上由君の声明の際に注目すべき事柄は、記者団のある人から、

塩谷検事あるいは白鳥警部に対するあなた方の抵抗というものは、あるいはあなた方の言う通り、白鳥も憎いし、塩谷も憎いから、あなた方の言うような理由は成り立つかもしれないが、塩谷検事の家にほうり込まれたこぶし大の石が小さな赤ん坊の寝ている枕元に落ちているが、あの石が少しそれておれば赤ん坊は死んでおるはずだ。これに対しても、あなた方はやはり赤ん坊を殺してまでもこれを人権擁護というか

という質問に対しまして、村上由君はちょっと考えた結果、

それは死んでおらないのだから、死んでからでなければ答弁はできない

ということを申しておるのであります。

警察官に対する捜査非協力アジ、1月25日午前中、市内30箇所の各派出所に警官有志の署名のある葉書で、今回の捜査に協力するのはやめようと捜査妨害の目的と見らるる内容文書が送付されたのであります。これも写真にとって来ております。

第4、道内他地方の事件発生後の動向、白鳥事件発生しまするや道内都市工場鉱山等においてビラ伝単による宣伝、検事、警察官に対する脅迫状の郵送等が行われましたが、おもなるものは次の通りであります。

白鳥警部暗殺事件の発生した翌1月22日夜釧路市春採大平洋炭鉱社宅の板塀に春採細胞名で駐在警察3名、炭鉱職員3名の名をあげて、

白鳥の死は当然、われわれの敵はそばにもいる、われわれはこれを葬らなければならない

との脅迫ビラを貼布し、翌23日同趣旨のガリ版印刷物を本人あて郵送した事件がありました。

1月22日午前6時ごろ夕張二鉱安全灯前で夕張地区委員党員戸田重雄、武藤至誠外札幌から入山したと思われる氏名不詳者が、白鳥課長の射殺事件についての見解はこうだと題し、

白鳥がやられたのは偶然のでき事ではない、警察の特高化に札幌の市民が全道民を代表して、道民の要求している平和と独立のがんになっている一つのじゃまものを葬り去ったのである

等の内容のガリ版刷りのビラを入坑せんとする者に配ったのであります。

1月28日午前6時ころ、三菱美唄炭鉱滝の沢撰炭機付近外2箇所で入坑せんとする一番方の坑夫に対し、党員宍戸定雄が

「日本国民の自由を奪い、戦争屋に奉仕する売国奴の末路あわれ」

と題し、

「白鳥事件は吉田の反国民売国政策に対する国民の反撃である。白鳥の運命のようなことは札幌だけではない。第二、第三の白鳥が出ぬとたれが保障できようか」

等の内容のガリ版ビラを配布した。

1月29日夕刻、幌内炭山養老二又路の線路上に、ガリ刷り「日本国民の自由の敵白鳥警備課長の末路こそ……」というビラ600枚撒布、なお炭鉱鈴木労務係長外数名三笠町警、鳥居警部補などを激しく弾劾しておるのであります。

旭川職業安定所職員に対する傷害事件、1月29日午後5時30分ころ、旭川公共職業安定所紹介係長橋本事務官が自宅への帰途、忠別川忠別橋上におきまして3名の暴漢に襲われ、背後から棒状のような兇器でなぐられ、卒倒したところを約1丈の橋下に投げ飛ばされた。幸いこれは生命に別状はなかったのでありますが、この被疑者として自由労務者党員山口政一が2月1日に検挙されております。

帯広市におきまする巡査傷害事件、1月29日午後11時40分ごろ、帯広市東二条巡査派出所において勤務中の鈴木巡査は、休憩所で仮眠中、何者かに長さ4尺太さ1寸くらいの棍棒で殴打され、額に6センチくらいの裂傷を負い、血が目に入り目先が見えなくなった間に被疑者は逃走いたしております。

第5、日共との関連性に対する考察

日共第五全協の綱領とこれに基く指針。前述の白鳥警部暗殺事件の前後に発生した各種事案はいずれも日共に関係するものであり、昨年10月行われた日共第五回全国協議会において、採択された新綱領並びにこれに基く指針

「われわれは武装の準備と行動を開始しなければならない」

と題するものの具体的実践の観があるのであります。すなわち日共第五全協の綱領はその戦略目標を反米、民族解放に集中し

「民族解放、民主政府が妨害なしに平和的方法で自然に生れると考えたり、あるいは反動的な吉田政府が新しい民主政府に自分の地位を譲るために、抵抗しないでみずから進んで政権を投げ出すと考えるのは重大な誤りである」

とし、

「彼らは武装しており、それによって自分を守っているだけでなく、われわれを滅ぼそうとしているのである。これとの闘いには敵の武装力から味方を守り、敵を倒す手段が必要である。この手段はわれわれが軍事組織をつくり、武装し、行動する以外にない。」

と、軍事組織と武装行動の必要を強調しております。さらに

「われわれの軍事組織は敵の部隊や売国奴たちを襲撃し、それを打破ったり、軍事基地や軍需品倉庫、武器、施設、車両などを襲い、破壊したり爆発させたりするものである」

と武力闘争を肯定し、

「占領制度を除くためには、われわれはあらゆる手段をとらなければならないし、またそれは許されるのである。この場合には通常の支配者の道徳は適用されないのであり、それに影響されてはならないのである」

と手段を選ばざる直接行動を是認し、現在の尖鋭化せる情勢では、

「われわれはこの直接行動を意識的、計画的に組織するとともに、大衆の自発的な行動に対しても、進んでこれに協力し、指導し、軍事組織の行動と結合させて行かなければならない」

と直接行動と大衆との結合、パルチザン活動への進展を指令しております。同時に反面治安機関等に対する内部工作の必要性をも高調し

「敵の武装の中で最も重要なものは、アメリカ占領軍と日本の軍隊及び警察である、内部工作の基本的方針はすべての工作と同じように、彼らの正しい政治的、経済的要求を取上げて売国的な幹部に対する闘争を組織するとともに、階級的、政治的自覚を高めて、国民の側に立ち、アメリカ帝国主義と吉田政府に対する闘いに参加させることにある」

と従来の対警工作の是正を行い、内部工作の方法を指示するとともに

「敵にいかに大きな打撃を与えても、国民に犠牲をしいたり、国民の支持と信頼を失う行動は軍事的な敗北と考える。それゆえに敵の部隊や売国奴に対する襲撃は、われわれに敵対する明白なものに限られる。」

と個人攻撃を是認し、かつその目標を明らかにしております。

次に綱領及び指針の実践。以上の綱領指針と前述の警備関係事件及び道内他地方の動向とを照合考察いたしますると、その間一連の関係が察知せられるのであります。すなわち「石炭の不足は朝鮮戦線に使われる兵器の生産に使用されるからだ」という反米ビラ、あるいは「日本の花嫁をパンパンにするアメリカ人兵を追い出せ」というような反米運動、そういうものの宣伝から、さらに日雇い労務者の越年闘争、拘留犠牲者の釈放運動に展開、同時に治安機関に対する抵抗闘争運動は、一面警察官の階級性の呼びかけ――ということは下級警察官に呼びかけまして、上級警察官との間を離反させる。そういう行動、そういうものから具体的なテロ行為の暗示を含む脅迫にまで発展し、その間の宣伝の内容、運動の方法をしさいに検討すると、まさに新綱領並びに指針の忠実なる実践と判断せられるのであります。

次に対治安機関抵抗闘争。特に治安機関に対する抵抗闘争に対しましては、昨年9月13日の中央連絡に基きまして、日共北海道地方委員会は10月23日下部機関に対し、中央並びに地方機関の15名の個人の住所氏名を記し

「帝国主義者の走狗として個人的にも糺弾と抗議のため、投書、はがき、電話を集中し、住宅の周囲にビラをはりめぐらす等、その職と居住にとどまることができぬくらいに攻撃を集中すること」

との連絡を発しておりますが、その中で警備課長白鳥一雄は、

「白鳥は特高上りで共産党に対し最も悪辣である」

と付記し、また

「北海道においては悪質な村巡査に至るまで村八分を実行し、主婦や子供を仲間はずれにするまで徹底的にビラ伝単で攻撃を加えられたい」

と指令いたしておるのであります。その指令の写しはこれであります。

さらに日共非合法機関紙と目せられる球根栽培法第23号、1951年11月22日付では「急速にファッショ化した警察力に対し、ファッショ化せざるを得なくなっている本質を常に見誤ることなく対警工作を発展させねばならない」と前提し、従来日共が

「警察の動静をつかみ情報を入手することによってのみ味方の前進活動を有利にしようとしていたことは誤まりであった」

と自己批判した後

「武装力を正面から攻撃し、内部へ混乱を起させるとともに、他方内部に民主組織を拡大する活動を通じて、内外から彼らの抵抗力を弱めて行くところにこそ目的がある」

と新対警戦術を詳細に指令いたしております。また

「弾圧後の抗議闘争も確かに必要だが、さらに徹底化しようとすれば、家庭における警官をねらい、彼らが精神的にいたたまらなくなるまで計画的な工作をする必要がある」

とし、ビラ、はがきなどによる脅迫戦術と「敵の武装弾圧を実力で撃破する準備と行動」の必要を述べ、また今までの経験から見て、「金筋をねらった方が効果的だ、内部にも外部にも反響がある」と効果の点にまで触れ

「愛国者を敵の手に売り渡す悪質売国分子に対する非妥協的闘争はきわめて重要だ。五全協の軍事方針はこれら売国分子を襲撃する必要について述べている」

ときわめて不穏当恐るべき警察工作の方法について指令いたしております。この指令が現地末端の日共党員を刺激したことは想像にかたくないのであります。

従って日共はいかなる声明を行い、また白鳥事件の犯人が日共関係以外のいかなる線から出ましても、かかる事態、雰囲気を醸成した政治上、社会上、道徳上の責任は否定できないと考えられるのであります。

現に日共北海道地方委員会は「日共は個人的テロは決して行わぬ」と前提しながら、

「今回の白鳥事件は全国的な抵抗的運動の一つの現われと見るべきである」

と暴力を肯定し、さらに

「かく闘うことは愛国的行動である」

と直接行動を賞揚是認しているのであります。白鳥事件前後の札幌における日共の動きは、新綱領によって一切の闘争を暴力闘争に向け、ひたすら驀進する日本共産党の本体を現わしたものと断定せざるを得ないのであります。白鳥事件は必ず日共の煽動あるいは日共分子によって起ったという断定を下すことに、調査委員は意見の一致を見た次第であります。

右御報告申し上げます。(拍手)





昭和27年04月21日 衆議院 行政監察特別委員会
[012]
自由党(自由民主党) 田渕光一
去る3月の27日、本会議におきまして、改進党の小川半次君より緊急質問があったのであります。すなわち2月23日、3月20日に関連いたしまして京都が無警察状態であるというような緊急質問が出たのであります。

翌28日の当委員会におきまして、この問題を調査の対象に取上げまして、治安行政の監察に京都事件の調査団が決定いたしたのであります。ちょうど本国会が4月4日から9日まで自然休会に入りましたので、この機会を利用いたしまして、調査団は4月5日東京を出発、6、7、8の3日間にわたしまして、このいわゆる京都事件を調査いたして参ったのであります。

派遣委員は、自由党所属野村(※專太郎)議員、押谷(※富三)議員と本員(※田渕光一)、改進党の高倉(※清治郎)議員、社会党の井上(※良二)議員の一行5名をもって調査をいたして参りました。以上大要その御報告をいたします。

(略)

一つの軍事行動としての計画性があるとき、みずから襲撃にあたっても軍事方針に従った選定がなされる。すなわち襲撃派出所の選定には、
1、最も反動的、売国的警官のいる派出所。
2、党の影響力の強い地域の駐在所、派出所。
3、本部、署等大権力機関の所在地は避けること。
4、攻撃後、天誅下る等の宣伝を行うようビラ等を準備しておくこと。

これは白鳥事件ではっきりいたしております。白鳥事件では、やると同時に「天誅遂に下る」というビラを張っております。襲撃された個所は、この選定の条件にかなった所であり、それが計画通りに実行されて騒擾事件となったものであります。

(略)

次に監察の結果を述べます。2・23、3・20両事件の背後関係は、すでに明らかになったごとく、いずれも日本共産党が昨年10月、第五回全国協議会で武力革命を指令して以来、東京練馬区の印藤巡査撲殺事件を初め、北海道札幌市における白鳥警部射殺事件、引続き長野県南佐久郡田口村の数名の警官に対する暴行事件、2月21日の全国的に起った反植民地闘争デーの襲撃事件、さらに3・1記念日をめぐる各所の襲撃暴行事件等、全国的に続発している対警察その他の機関に対する軍事行動の現われであると考えられます。



[026]
日本共産党 竹村奈良一
もう1つ聞きたいのは、調査の結果書かれていることには、たとえば日本共産党が昨年何とかして、それから東京練馬、あるいは北海道札幌における白鳥警部事件、こういうようなこともあたかも日本共産党によって行われたごとく書かれておる。

しかし北海道の白鳥事件につきましても、現在これはそれ以外の者によって行われたということはほぼはっきりしかけておる。それにこういう断定的な考え方をもって調査されるということ自体、私は超党派的な行政監察委員会の面から考えましても、この点はいかに一方的な考え方からやられている調査であるかということがはっきりしている。この点もひとつお答え願いたい。

従ってこういう一連の報告書をつくり上げるために調査をするにあたりましては、共産党の委員を加えるべきである。それを加えなかったということ自体が、すでに調査以前から、こういう推定あるいは思考に基く、しかも当然憲法に保障された一連の行動をやるということを阻害したことの調査を抜きにしようという考えがあったのではないかと考えるのでありますけれども、団長からこれに対して明確な御答弁をお願いいたします。

[027]
自由党(自由民主党) 田渕光一
お答えいたします。われわれ権威ある調査団に向って非常に誹謗的な竹村君のお言葉でありましたが、私ども自由党、改進党、社会党のこの5名の調査団は、衆議院議員の公職を汚すことなく、あやまちなく、国家再建のために最も公平無私に監察をいたして参ったことをお答えいたしておきます。





昭和27年04月25日 衆議院 行政監察特別委員会

(略)



(略)



[150]
委員長(自由党) 内藤隆
それから天下の耳目を騒がした北海道の札幌の白鳥事件のその後の捜査の状況はどうなっておりまするか、簡単に御説明願います。

[151]
証人(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
白鳥事件の捜査が相当難渋をきわめておりまして、いまだ最後的の解決に至っておりませんのは、きわめて残念に存ずる次第でありますが、現在までに、これらに関係したと見られるいわゆる脅迫文書の送付者、あるいはビラの頒布者等18名を検挙して、ただいま取調中でございます。これらの被検挙者は、自由労組員でありまするとか、あるいは札幌大学の共産党の細胞員でありまするとか、どうも共産党関係の方から指導をせられている人たちと見られるのであります。

白鳥警部を射殺いたしました真犯人がこの中にありまするか、あるいは外部でありまするかは、今まだ決定的な段階として申し上げる域に達しておらないのでありますが、これらと全然無関係とは考えられない、私はさような心証を持っております。



(略)



[198]
日本共産党 山口武秀
それからなお白鳥事件でありますが、この白鳥事件につきまして、現在被検挙者が相当数あるという先ほどのお話でありました。ところがなお証人の証言によりますると、真犯人がその被検挙者の内にあるか外にあるかについてはいまだなお判明しない、このように言っておられる。そうすると、この被検挙者というものは、真犯人の容疑で検挙されているものであるかどうか。それともそれ以外の問題で検挙されているのか。

もしもこれが真犯人という容疑で検挙されたとしまするならば、その内にあるか外にあるか確信がないということになりますと、基本的人権の重大な侵害の問題がありますので……。

[199]
証人(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
先ほども申しました通り、白鳥警部殺人容疑者として検挙はいたしておらぬのであります。

ただいま検挙をいたしておりますのは、事前の暴行事件でありますとか、あるいはこれに関連した脅迫文書の頒布、これらによって検挙をいたしておるのであります。犯人としてはまだ検挙はいたしておりません。

[200]
日本共産党 山口武秀
だとすると、白鳥事件というのは、現在なお真相かいもくわからないというのが、少くとも現われた実情なのである。それなのに、ここに共産党の関係があるということ自体は、これは国警長官としてはなはだ軽率ではないだろうか。





昭和33年07月17日 衆議院 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会
[022]
自由民主党 中山マサ
しかも、このいわゆる人民艦隊というものはどうしてできたかと申しますれば、結局国内の会社に共産主義者が入っていって、尼崎の尼鋼でもそうですが、ここでもって会社を破壊したその金、あるいはほかの会社も破壊して、そこにある品物を横流しをしてもうけた金でもって人民艦隊を仕立てて、それに乗って、しかも、北海道の白鳥事件の容疑者なども、これに乗って向うへ行っているのですが、そんなものがぬくぬくと、時間的にもういいだろうというようなことで帰ってくるとしたら、法務省もまるでなめられ切っておる。(「法務省はおらぬ」と呼ぶ者あり)きょうはおらないが、入国管理局の方がいらっしゃっておると思うのですが、そういうわけですから、この際、私ははっきりさせていただきたいと思います。

われわれの国の尊厳のために、私は、これはぜひ申し上げて、はっきりさせていただかないと、われわれ国民の前に、あまりにもだらしがないというようなことでは、どうにもならぬ。今後もまだ引揚者が何らかの形でもって帰れる、運賃は見てやるのだという今の御答弁でしたが、今度のようなことでもって、ペン・ネームを使ったりしてまたやらぬということも断言できないと思いますから、この際、一つ厳然たる態度でこれを処分して、そういうことは通らないのだということを見せていただきたいということを、私はぜひお願いをいたしておきます。





昭和51年05月13日 衆議院 内閣委員会
[311]
民社党 受田新吉
白鳥警部殺害事件、北海道の道警の警備部は、昭和27年の白鳥警部殺害事件の直後に中国へなぞの密出国をして、ほとぼりのさめた最近に至ってひそかに帰国した同事件の容疑者を書類送検したという新聞報道を見たのです。

このことがもし事実とすれば、同事件が持つあの陰惨な記録は、いまもって継続中であるということを示すものですね。国民としても重大な関心を寄せざるを得ない問題であります。そこで具体的な事実経過と現在の捜査状況について御説明を願いたい。

[312]
説明員(法務省刑事局公安課長) 石山陽
ただいま先生お話しの白鳥事件と申しますのは、昭和27年の1月21日夜に、当時札幌市警察署の警備課長をいたしておりました白鳥一雄警部が自転車で帰宅の途中、背後から何者かに拳銃で撃たれて殺されたという事件でございます。

この件につきましては、共犯者といたしまして、当時の日共札幌委員長でありました村上国治なる者が犯人であるということになりまして、一審、二審、三審と公判審理が進みまして、38年に有罪裁判が確定いたしました。それに対します共犯者の一部の者が当時中国に逃亡しておったということがわかりましたので、最近それに関します共犯者の数名を目下札幌地検において捜査中であるという状況でございます。

その捜査の状況を簡単に申し上げますと、大体新聞報道等に出ております主犯と申しますか、現在の捜査の中心になっている者を事例的に申し上げますと、植野という者がおりまして、この人につきましては現在3つの被疑事実、すなわち昭和26年の12月中ごろから27年の2月初めごろまでの間に、先ほど申し上げました当時の村上委員長らと共謀して米国製の拳銃1丁を不法に所持しておったという事実。2番目といたしまして、27年の1月上旬ごろから中旬ごろまでの間に、同じく村上委員長らと共謀いたしまして、人の財産、身体を害する目的で爆発物3個を所持しておったという爆発物取締罰則違反の被疑事実。3番目に、昭和30年ごろに中国に密出国をしたという事実。

以上の3点につきまして、現在札幌地検が、ただいま申しましたように捜査中であるという経過でございます。



[319]
民社党 受田新吉
この事件に対してもうちょっとだけ、一口で答えていただきたいと思うのですが、当時の日本共産党札幌軍事委員会というのは一体どういうような性格を持っておったものか、それが白鳥警部殺害事件と何のかかわりがあったのかという点をちょっとお答え願いたい。

[320]
説明員(法務省刑事局公安課長) 石山陽
日本共産党軍事委員会と申しますのは、私どもがただいままでの資料で承知しておりますところによりますと、昭和20年(※26年)の10月ごろに日本共産党の第五回全国協議会、略称五全協という大会がございました際に、革命間近しという見地から武装方針が指示されました。それに基づきまして各地に軍事組織がつくられたという事実がございます。それに即応しまして設けられました委員会の中枢的な機関であるというふうに理解いたしております。

[321]
民社党 受田新吉
これは国民が一つの疑惑を持っているわけですから、あいまいな処理の仕方でなくして、きちっとした処理をして国民の疑惑を一掃してほしいと要望しておきます。





昭和55年11月05日 衆議院 外務委員会
[131]
自由民主党 中山正暉
外務大臣、まだほかにあるのです。白鳥事件というので、人殺しをした人たちが中国にたくさんいるのです。これなんかも人道上でしょうか。もういっぱいおります。桂川、川口、川口栄子、植野、斉藤和夫、門脇、大林。もうとにかく上海へ行くための共産党の船団というのがあったわけでございます。





昭和55年11月21日 衆議院 地方行政委員会
[046]
自由民主党 小澤潔
時間がございませんので、次に3つの事件についてお尋ねをし終わりたいと存じます。

その1つは白鳥事件でありますが、事件の容疑者数名が中国に渡っているとのうわさがありますが、その真偽をお聞かせ願いたいわけです。そしてあわせて経過も報告願いたいと存じます。その経過の中には、中国大使館を通じまして中国政府に捜査依頼をした事実があるかどうか、こういった点も踏まえてお願いいたしたい。

(略)

[047]
政府委員(警察庁警備局長) 鈴木貞敏
大変盛りだくさんの御質疑でございますが、順を追って申し上げたいと思います。

(略)

それから次の白鳥事件の関係でございますが、この事件は、ちょうちょう申し上げませんが、昭和27年1月21日、非常に古い事件でございまして、当時札幌市警察本部警備課長の白鳥一雄警部が勤務を終わりまして自転車で帰宅途中に、市内路上で背後から拳銃で射殺されたという事件でございまして、捜査の結果、犯人は当時日本共産党札幌委員会委員長あるいは同委員会軍事委員長であります村上及び同委員会所属の中核自衛隊員7人の計8名による犯行と判明いたしまして、27年に1人、28年に2人を逮捕いたしております。この3人につきましては、殺人罪あるいは殺人幇助ですでに有罪判決が確定しております。

その後52年に1人、53年に1人が中国から帰国いたしましたので、殺人幇助容疑で逮捕、取り調べの上検察庁に送致しておるというふうな状況でございます。

残り3名につきましては外国に逃亡中と認められますので、引き続き捜査中でございますが、御質疑の中国に残っているかどうかということにつきましては、残り3人の被疑者は中国にいるもの、こう思っておるわけでございますが、詳細につきましては捜査中ということで御了承願いたいと思います。

またこのケースにつきまして、中国に捜査依頼をした事実があるかどうかということでございますが、この事件の経緯あるいは中国との捜査共助関係の経緯、そういったものを勘案いたしまして、現在までのところ中国に捜査を依頼したという事実はございません。が、将来につきましては、また進展を見ていろいろ考えてまいりたい、かように思っております。





https://ja.wikipedia.org/wiki/白鳥事件






前略と後略は省略、旧字は新字に変換、誤字・脱字は修正、適宜改行、
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基本的に抜粋して掲載していますので、全文は元サイトでご確認ください。